学問の部屋です。
安野光雅さんによる数学入門の手前の本。なぜか3巻だけ手元にあります。
安野さんはじつはたいへん数学にお詳しいのです。
「やわらかい数学」とでも名付けたくなります。
あの、見ればひとめでこの人の絵とわかる、繊細で絵は、眺めているだけでも楽しめるのですが、
じつはその背後に、拡大/縮小の概念や、トポロジー、ネットワーク理論、対称性、フラクタルなどの萌芽が隠されています。
巻末で面白いエピソードが紹介されていました。
徳川家康が、「内角の和が二直角である、うんぬん」の講義を受けたときに、「琵琶湖ほどもある三角形でも、そうなのか」と聞き返したそうです。
家康、たいへん鋭い指摘です。こうした素朴な疑問が、非ユークリッド幾何学のような新たな分野を切り開いていくのですね。
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