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ショーン・タン『いぬ』(河出書房新社)

  • 執筆者の写真: mayurransan
    mayurransan
  • 2023年4月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年4月14日


学問の部屋です。


ひとが生きていくうえで味わわざるをえない悲哀を、ユーモアとの絶妙なバランスで描いた絵本を続々と発表している、ショーン・タンの絵本です。

とくに"移民"や"他者"をテーマにすることが多いようです。


(翻訳は岸本佐知子さん。彼女の訳した本にまずハズレはありません。またエッセイの名手でもあり、独特な妄想世界を描いたエッセイ集はたくさんのファンを集めています。私もその1人。また機会を改めてご紹介します。)


さて、


「かつて、わたしときみとはまったくの他者だった」


で始まるこの絵本では、人間と狼(ハイイロオオカミ)とが歩み寄り、やがては切っても切れないパートナーになっていくさまが象徴的に描かれます。


どちらかが死ぬたびに離れ離れになる人間と犬とが、それぞれ背を向け合い、時と場所を隔てて相手を待ち続けている絵が印象的です。見開き8ページにもわたり、言葉のない、そのような似た構図の絵が変奏されます。


しかし死によって中断されるものの、人間と犬の魂のつながりは、まるで引き寄せ合いながらも反発しあう奇妙な磁力のように、一定の距離を保ちつづけます。


画面を斜めに走る道のようなものが、人間と犬の埋められない種としての違いを象徴しているようでもあります。


とはいえ、長い年月をかけていわば共進化してきた人間と犬は、最後のページでどのように描かれるのでしょうか。ぜひご自身で手に取ってみてください。





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