学問の部屋です。
作曲家の坂本龍一さんが亡くなって約半年ですが、これまでに雑誌などでさまざまな追悼企画が行われてきました。
そのたびに書店で中を覗いてみての私見ですが、過去の記事の寄せ集めに、いくつか新たな文章が付録的についているもの、あるいは過去の写真で紙面を埋め、それにキャプションを付したものが目立ちました。
人の死は予測できないため致し方ないことではあります。
ですが、ようやく良い本が見つかりました。7月27日に刊行された本書は、坂本龍一さんの死後ある程度経過しているというのもあり、内容が充実しています。
特に充実しているのはインタビュー。
盟友であるデイヴィッド・シルヴィアン、小山田圭吾、alva noto、Christian Fennesz、Taylor Deupreeなどのミュージシャンをはじめ、晩年まで交流のあった人たちの名が並んでいます。
他にも、哲学者の國分功一郎さん、映画監督の岩井俊二さん、著述家の湯山玲子さんなども寄稿しています。
ディスコグラフィーも詳しいので、これから氏の音楽を聴きたいという方にもおすすめです。映画音楽、ポップス、テクノ、アンビエント、他ミュージシャンとのコラボレーションなど、多岐にわたる仕事をした作曲家ですが、ジャンルごとに分類してあり見やすいです。
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