学問の部屋です。
1874年生まれのスウェーデンの絵本作家エルサ・ベスコフの絵本です。原著の初版はなんと1912年だそうです。
「ペレは、こひつじを 1ぴき もっていました。」
で始まる本書。少年ペレは、こひつじの毛が長くなるにつれて自分の上着の丈が短くなっていく、つまり背が伸びていくのに気づいてあることを思い立ちます。
このこひつじの毛で上着をつくろう。
けれども自分ひとりの力だけでは服は作れません。
そこで、近所の草取りを手伝ったり、牛の番をしたり、テレピン油を買いに行ったり、妹の世話をしたりする代わりに、
ひつじの毛をすいてもらい、糸につむいでもらい、青に染めてもらい、布を織ってもらい、こうしてしだいにペレの新しい服ができあがっていきます。
絵は水彩で描かれているのでしょうか、とにかく背景までが美しい。
牧草地や白樺、野の花、動物たち、室内の調度品など、細部にまで見入ってしまいます。こんなところに行ってみたいと思います。
また、大人や子どもたちの表情やちょっとしたしぐさがなんともリアルで、何度見ても見飽きません。
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