学問の部屋です。
1948年にスイスはチューリヒで刊行された絵本です。
広く知られたグリム童話のひとつ。
老いたロバ、犬、にわとり、猫がブレーメンを目指します。飼い主に虐待され、殺されそうになったために逃げ出してきたのです。
あとの物語は繰り返すまでもないでしょう。
いったいこの童話の、何冊の絵本が出版されてきたのか見当もつきません。
私も過去に同名の別の絵本を1冊持っていたことがありますが、この、ハンス・フィッシャーの絵が良すぎて衝動買いしてしまいました。
ジャン・コクトーの絵をどことなく連想させます。余白を活かした色使いがおしゃれです。
一つだけ、たくさんの星が出ている夜を描いたページがあるのですが、前後のページの余白
とのコントラストが効果的でたいへん美しいです。
あとで調べてみたところ、商業デザイナーとしても活躍した人で、ジュネーヴの美術学校では、あの画家パウル・クレーの生徒だったようです。
本書はハンス・フィッシャーが長女ウルスラのクリスマス・プレゼントとして作った絵本だそうです。
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