学問の部屋です。
個人的にこれはすごい絵本だと思います。
元永定正さんの絵と、詩人の谷川俊太郎さんの「擬態語」だけでできたとても抽象的な絵本です。
なにか、目のない原始的な生き物のようなものが、ふくらんだり、破裂したり、口をあけたりします。
(ちょっと、「目」が誕生する以前の生き物を連想させます)
言葉はいたってシンプル。「もこもこ」、「ぷうっ」、「ぱちん!」といった擬態語だけが付されています。
大人にとってみれば抽象的に見えても、子どもにとっては、これから世界の認識が立ち上がっていく予感に満ちた空間なのかもしれませんね。
まだ目で見るまえの世界が、まるで見てきたように表現されている傑作絵本です。
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