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執筆者の写真mayurransan

"Itzhak: A boy Who Loved the Violin" by Tracy Newman


学問の部屋です。


ヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの伝記絵本です。


イスラエルのけっして裕福ではない家庭に生まれ、4歳のときにポリオにかかって足が動かなくなった彼は、両親から念願のヴァイオリンを買ってもらいました。


それからめきめきと腕をあげ、オーケストラと共演するまでになりましたが、ある時、イスラエルを訪れていたテレビ司会者、エド・サリヴァンの目にとまります。


その後、1958年11月2日、アメリカ合衆国に渡りサリヴァンのショーに初出演するまでを描いています。


ーーとはいえこれはパールマンを知る人であれば言うまでもない内容ばかりかもしれません。

ひとつ面白かったのは、あれだけヴァイオリンを弾きたがっていたイツァークでしたが、いざ先生についてみると練習をサボるようになったというエピソード。とても厳格な先生だったそうです。


一方、合衆国に移住してからは、名教師ドロシー・ディレイのレッスンを受けるようになりますが、彼女は反対に、本人がどう演奏したいかを重視したようです。このあたりのことは残念ながら描かれていません。


もうひとつ面白かったのは、エド・サリヴァンのツアーに、イツァークが魔術師や影画師といっしょに参加したという情報です。合衆国らしいですね。

たぶん、当時の合衆国によくいたという、エルヴィス・プレスリーのマネージャーみたいな、ああいうちょっといかがわしい歌やサーカスを披露する一団の延長線上で考えればいいのでしょう。


イラストレイターのAbigail Halpinが、パールマンとアイザック・スターンが演奏するJ.S.バッハのダブル・コンチェルトを気に入っているらしく、ページのいたるところにその楽譜の断片が散りばめられています。



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