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執筆者の写真mayurransan

音楽と映画③『犬王』古川日出男×湯浅政明


学問の部屋です。


古川日出男さんの原作小説『平家物語 犬王の巻』にもとづく、ミュージカル・アニメーション映画です。

監督は湯浅政明さん。

キャラクターデザインは、漫画家の松本大洋さんが担当しています。

制作・日本。2022年公開


室町初期の将軍、足利義満が寵愛した世阿弥の舞と、本作の主人公である異形の能楽師・犬王の舞は、いわば北朝と南朝を象徴しています。


新しい舞によって一世を風靡したにもかかわらず、犬王の、平家を鎮める舞は、義満によって禁止されてしまいます。

どこまでが史実かはわかりませんがこの犬王という能楽師は実在の人物だそうです。

ちなみに彼の曲は、歴史の記録にいっさい残っていません。


本作ではそんな犬王の舞が、現代のヒップホップみたいに表現されます。

そして相棒の琵琶法師である友魚はさながらギタリストです。鴨川にかかった橋の上で行う語りは、ほとんどロックミュージックです。


音楽のクオリティが高いと思ったら、担当は大友良英さんでした。もともとノイズ・ミュージックのジャンルで知られる人でしたが、最近は映画やドラマの音楽で活躍しています。


ダンスのシーンも息を呑むものでした。とくに、平家の呪い?によってまだ異形のなりをしている犬王が、長い腕を振り回しながら非対称な舞をまう場面の動きの異様さからは目が離せません。鹿苑寺金閣で行われる舞と音楽の共演も圧巻です。





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